「何十年も昔から、長靴の作り方は変わりません。生のゴムは餃子の皮のように柔らかいのでコツが必要です。とりあえず、なんとか貼れるようになるまで、私は3ヶ月くらい掛かりました。今は大量生産の時代ではないですから、細かい作業をどれだけ早くきれいに出来るかが勝負。ちっちゃい埃が付いてしまったせいで返品もありますよ。」
ゴム靴のメインといえば、農作業用の長靴や、消防や自衛隊などに収めるもの。安定性を求めなかった選択が吉とでるか凶とでるかはこれから。平成19年から経営を先代から譲られた今、森谷さんが大事にしているのは、対応の柔軟さだ。
「お客さんはゴムを理解していないから、逆にこちらの固定概念を崩してくれます。だから、生産性や作業の面倒さは考えずに、とにかく話を聞いて、アイディアを引き取ってみることにしています。それに応えられるスタッフと技術、経験には自信がありますから。楽をしようと思ったら、ダメですね」
メーカー主導の大量生産がもてはやされた時代は終わり、今後はいかにローコストで買えるかではなく、いかに希少性の高いモノか、が求められている。高品質なのはもはや当たり前、それでいて他にはない商品、オリジナリティのある商品を消費者は求めているのだ。高品質で他には真似のできないモノ作り。これからのマーケットが日本の企業に求めているのは、こういった柔軟な企画力とそれを実現する技術力、職人力なのではないだろうか。クライアントの幅広い注文に応え、工場内に所狭しと積まれた試作品の数々。メイド・イン・ジャパンの真髄はここにある。
株式会社 ウッドヴァリ(婦人用ゴム靴製造)
住所 東京都葛飾区立石8-48-10
電話 03-3691-6938
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(写真上)
技術水準の高さを物語る、大型の転写シールを施した最初のプリントデザインブーツ。最初に依頼があったのは大手アパレルメーカーから6年ほど前のこと

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(写真上・左)
現在の主流商品は婦人のパンプス。色やデザイン、形もさまざまなものが揃っている |
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| 大型の転写シールを貼り付けたゴムシートを、ブーツの形に張り合わせていく |
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材料となるゴムシートは、輸送過程での傷を防ぐため外注はしていない。厳選の天然ゴム原料から自社生産している
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パーツごとに切り分けられたゴムシート。革靴を作る工程を取っているため、さまざまな注文にも対応できる
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生ゴムのままではべたついてしまうため、成形した製品に専用の塗料を塗る。ツヤのあり、なしなどの調節はこの工程で行う
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専用の装置で圧力をかけ、のりを塗った靴の本体と別に作った靴底をしっかりと張り合わせる。
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既存の製品に、先代が独自に設計した圧力・加硫時間などを制御する装置を組み込んだ、加硫缶 |
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